山下くんがテキトーすぎて。
山下くんと藤本くん





曲がり角で誰かにぶつかった。


鼻頭を抑えながら「ごめんなさい」と謝ると、相手は軽い笑い声をあげた。




「もしかして山下に会いに行ってた?」


「……あ、藤本くん」



裏表のない顔で笑いながら顔をのぞき込んでくる。




「……その顔、図星みたいだね。また山下となんかあったんだ?」


「う、うん……」


「うわぁ勘弁してよ〜。遠山さんとなんかあった時あいつすぐ機嫌悪くなるんだよね〜」



「えっ、あ、ごめんなさい……」


「ははっ、冗談だよ謝らないで? なんだかんだ言って、怒ったあいつの顔見るの楽しいから俺」


「は、はあ……」



だめだ、やっぱり藤本くんのテンションにはちょっとついていけないや。


山下くんと違う意味でつかめない感じがなんとも言えない。


< 251 / 299 >

この作品をシェア

pagetop