山下くんがテキトーすぎて。


「俺国語ニガテだから何から話せばいいか正直わかんないんだけど……」



考えるように腕を組みながら藤本くんが口を開く。



「まず、俺と山下は幼稚園からの幼なじみなんだよね」


「そんなに前から一緒なの?」



思わず聞き返してしまう。



「もうここまでくると腐れ縁みたいなモン。だから遠山さんが言った通り、10年以上付き合いがある俺が山下を名前で呼ばないのやっぱりおかしいよね」



「……やっぱり藤本くんも呼ばせてもらえないんだ」



「正確に言うと、呼ばせてもらえなくなった」


「………」


呼ばせてもらえなくなった、ということは
昔は名前で呼んでいたってこと……。




「てかふつーに考えて幼稚園児が苗字で呼び合ってたらやばいっしょ!」



ぶははと吹き出す藤本くんにつられて私も笑ってしまう。


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