山下くんがテキトーすぎて。
「……んでまぁ、いろいろあってさ。その原因ってのが、例の電話の"春華さん"」
聞いた途端、少し上がりはじめてた気分が一気に落ちこんだ。
「春華さん、てやっぱり、その……」
「んーん、安心して。たぶん遠山さんが思ってるような人物じゃないから」
「えっ……」
「春華さんは、山下のお母さんだよ」
「んええっ!?」
お母さんをさん付け呼び!?
いや、でも義理の母とかだったらそうなるかも……。
「ちなみに、実の母親ね」
私の思考を読んだかのようなタイミングで藤本くんが補足する。
「実のお母さんをさん付けで……?」
「ガキっぽい反抗心がまだ残ってんじゃね?あんな落ち着いた顔してっけど、言うならあいつ俺より精神年齢低いから」