山下くんがテキトーすぎて。


「あいつ、高校に入ってだいぶ穏やかになったよマジで。あの頃のなごりと言えば、今はもうピアスくらいだな。あ、左耳に付いてる赤いやつね」



なるほど、あの綺麗なピアスは中学の時から付いてたものなのね。


いけない、ニヤニヤしてしまう。



山下くんの情報を一気に吸収できて嬉しいらしい。頬が緩んでしかたない。




「ちょっとは元気になった?」


「うん!ほんとにありがとね!!」


「どーいたしまして〜。あと言い忘れてたけど、遠山さんはもっと自信持っていいよ」


「へ?」


「山下が女の子を下の名前で呼ぶの、俺の知ってる限りでは遠山さんだけだから」


「……!!」


すぐに言葉がでなかった。


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