山下くんがテキトーすぎて。



あれからまた眠ってしまったらしい。

起こされた時には

時計は既に6時を回っていた。




「ゆっくり休めた?」



一日中授業も受けずに寝ていた俺に、そんな言葉を掛けてくれる保険医の張り付いた笑顔は


春華さんによく似ていて


正直、胸くそ悪かった。



それでもこの人は親切に接してくれているんだから、春華さんと重ねてしまうのはいけないんだと。


自分に言い聞かせた。

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