山下くんがテキトーすぎて。
" ……勉強、教えてやろーか "
不意に山下くんの言葉が頭をよぎる。
無意識に教室を見渡して、山下くんを探した。
たけど、あのだるそうな表情はどこにも見当たらない。
「かんな。山下くんがいない……」
「えっ、山下?あんた、まだ山下のこと好きなの!?」
「い、いや、そーじゃなくて!ちょっと話したいことがあって……」
「…ふうん。まあ、友達と屋上で弁当でも食べてんじゃないの?」
言われてみれば、山下くんと仲がいい
藤本くんもいない。
「……もしまだ
山下が好きなら応援するけど」
「もう、好きじゃないもん」
「ほんとに?あいつモテるから油断してると彼女できちゃうかもよ?」
ニヤニヤと視線を送ってくるかんな。
「別にいいよ。彼女できても…」
「あたし、山下は愛音に気があると思うんだけどな〜」
「……それは絶対にないよ」
だって私は山下くんに
女の子として見られてないから……