山下くんがテキトーすぎて。
「や、山下くんどどどうしたのそんなに息を切らして……!!」
午後4時半を少し回った頃。
私は肩でゼーハーと乱れた呼吸をしてる
山下くんに手首を掴まれていた。
隣に立つ大倉くんも驚いて……
いや、さほど驚いている様子はない。
触れられた指先は相変わらず冷たいけれど
余裕のない熱っぽい瞳にドキッとする。
場所は、あと少し歩けば校門というグラウンドの片隅。
風が吹いて砂埃が舞った。