山下くんがテキトーすぎて。
山下くんの顔がすぐ近くにあって、
低い声が私の鼓膜を揺さぶる。
藤本くんは意味深な微笑みを残して
教室を去っていった。
他に誰もいなくなると、
私はやっと口を開放された。
不足していた酸素が一気に肺に流れ込んでくる。
「山下くん、なんで!?
デートなんかじゃないのに……!」
「別に、なんだっていーじゃん」
「よ、よくないし!
なんでそんなテキトーなの!?」
「はいはい、ごめんって。それより
俺に話があるんじゃなかったの?」
「……あ、そうだった」
私は真っ直ぐに山下くんに向き直る。
いざ言おうとすると、なんかドキドキしてきて頭が真っ白に……なりそうで。
別に、告白するわけでもあるまいし。
なんでこんな
緊張しなくちゃいけないんだろう。