山下くんがテキトーすぎて。



山下くんは自分の机を私の机に

くっつけて、隣に座った。


そしてその真ん中に教科書を広げる。



距離が近いような……気がする。



机をくっつけたんだから近くなるのは当たり前なんだけど……

肩が今にも触れそうで。




「早く、問題解きなよ」


「あっ、うん!」



慌ててシャーペンを握るものの、山下くんに手元を見つめられると何も書けなくなる。



教科書の問題をじっくり見ても、

全然頭に入ってこなくて。




「まさかこの問題が分からないとか
言わないよね?」



「……ワカリマセン」



「嘘だろ……」



「……ゴメンナサイ」



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