山下くんがテキトーすぎて。
「それにしても起きないねぇ、山下」
かんなが山下くんを見下ろしながら
ため息を吐いた。
「あたし今からバイト行くけど、
愛音はどうする?」
「どうするって?」
「勉強会。山下寝てるけど…」
「あ、そうだよね…」
昨日までは毎日数学を教えてもらってたけど…
今日は、寝てるし、なぁ……
それに、いつも以上に
熟睡してるみたいだし。
起こすのは悪いよね?
「あれー、まだ寝てんのコイツ?」
突然後ろから飛んできた声に振り向くと、藤本くんが面倒くさそうな表情で立っていた。
「おい、山下」
ガンッと、
藤本くんが山下くんの机を蹴る。
それでも、
山下くんは微動だにしない。
「ほらっ、山下!起きないと彼女ちゃんが困ってるぞ〜?」