山下くんがテキトーすぎて。



非常階段の暗さのせいで、さらにおぞましいモノに見えてしまう彼の笑顔。


昨日言ってしまった事を、もう既に後悔し始めている私。




「3回まわってワンって言ってみ?」



「………」



「…っていうのは冗談で」



「………」



「ぶはは、本気にした?あっ、でも遠山は犬っていうより猫かな〜」




まったく、この人は……

相変わらず訳がわからんことを。




「遠山ぜったい猫耳似合うよ。すっげぇいいと思う。うん、かなりそそるね」




なんでこんな楽しそうなんだろう。

絶対おもしろがってるこの人……


やっぱり起きてる時のテンション
おかしいよ山下くん。




「あ、でも付けるなら俺の前だけにしてね。他の男にそんなもの見せられない」




「はい…そうですよね。私が猫耳なんて付けたら皆ドン引き」




「……わかってないな、ほんと」




「えっ?何か言いました?」



「んーん、何にも?」




どんどん話題がズレていってるけど…


このまま、お願いのこと忘れてくれないかなぁ……なーんて……




「遠山、ひざ枕」



「はい?」



「ひざ枕、して」



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