山下くんがテキトーすぎて。


一瞬、ぽかんとする私。


予想外の言葉に
頭がうまく機能しなかった。


ひざ枕って…
つまり、あの、ひざ枕だよね。




「ほら、行くよ」



山下くんが私の手を引く。



「行くって、どこに!」



「この階段登ったらすぐ屋上だから」



「えっ!屋上に行くの!?」



「ここじゃ寝れないからね」



「……まさか今から
屋上で寝るなんて言わないよね?」




「そのまさかなのです」




楽しそうに笑いながら、私の手を引いて階段を上がっていく山下くん。



カン、カン…と
私たちの足音が静かに響く。




「ちょっと待ってよ〜!こんな時間からまた寝るの?しかも屋上で!」



「言ったでしょー。寝不足だって」



「でも、5時以降は屋上立入禁止じゃなかった?」




「赤信号、二人で渡れば怖くない」



「………」




んなテキトーな!!!!



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