山下くんがテキトーすぎて。
追試と、山下くんと、告白と






そんなこんなであっという間にやってきた、



運命の、金曜日(追試)。





緊張で胃がキリキリと痛みながらも午前中の授業はなんとか乗り切った。





追試開始時刻まで残り5時間を切った昼休みの現在、


呆れたカオのかんなの目の前で、数学の教科書を片手にお弁当を食べる私。






「今さらあがいても無駄だって愛音。
行儀悪いよ」




「待って話しかけないで!せっかく覚えた公式が飛んでっちゃう!!」




「………」





本日何度目か分からない盛大なため息を聞かされながら、


無駄だと分かりつつもマーカーと付箋だらけの教科書を何度も何度も読み込んだ。





「あ、そういえば山下って───」




「あっ、だめ!今は絶対山下くん話はしないで!!」




「………なんで?」




「なんででもだめ!!!」





山下くんのこと考えたら気が散ってしょうがない。無心!




ちなみに山下くんは藤本くんに連れられて売店に行ったから今は教室にはいない……




ああっ!だから山下くんのこと考えちゃだめじゃん!!!ばか私!!!






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