ひと冬の想い出 SNOW
ピッ、ピッ、ピッ、ピッ…
何、この音?
私は夢の中で耳をすませる。
私はいつも、真っ白な霧の中をさまよっている。
毎回眠ると聞こえる音…。
私は、その音のする方へ歩いていく。
あと少しでわかりそうなとこまでくるのに、手が届かない。
あぁ、まただ。
霧が濃くなる、そして私は目を覚ますんだ。
「…乃、雪乃?」
目を開けるとドアップの小鳥遊さんの顔…。
私は思い切り赤面してうつむいちゃうんだけど、小鳥遊さんはまるで気づいていない。
いや、私の場合それはそれでよかったのかな?
「おはようございます。」
「うん、おはよう。ごめんね起こして。まだ6時なのに。」
起床時間は6時30分。
まあ、30分早いぐらいどうってことない。
私は目覚まし時計のアラーム機能をオフにした。
目覚ましは、小鳥遊さんが貸してくれたもので、小鳥遊さん自身はスマートフォンのアラーム機能で済ませているらしい。
「大丈夫ですよ。どうかしましたか?」
「うん。ちょっと昨日、伝え忘れていたことがあったから、朝のうちに教えちゃおうと思って。」
そう言って私をリビングに呼び、いつもの位置に座らせる。
そしていつものように机を挟んで正面に小鳥遊さんが座る。
そして小鳥遊さんは、私のプロフィールとこの家のルールが書いてある紙を取り出した。
「俺の大学のことなんだけど…」
『時間割り』と書き、下に月から金までの講義の時間を、とても丁寧に書いていく。
月曜は8:00〜でそこから5コマ。
火曜は8:00〜でそこから4コマ。
水曜は8:00〜でそこから5コマ。
木曜は8:00〜でそこから5コマ。
金曜は8:00〜でそこから4コマ。
つまり、大学まで片道45分らしいから、毎日7:00には出るらしい。
ってことは、毎日30分で朝の準備を終わらせるってこと!
私からしたら考えられない。
「あと、バイトね。」
『バイト』と書かれ、またまたきれいな字で書き込まれていった。
一つ目は、火曜・金曜→家庭教師とかかれた。
火曜・金曜は4コマだから、終わってから家庭教師のバイトをするらしい。
「終わるのは何時頃ですか?」
「うーんと、帰ってくるのは、21時頃かな?」
じゃあその時間に合わせて夕ご飯作らなくちゃ。
「あと、土日もバイトしてるから。」
バイトの欄に付け足しで、
土曜→飲食店(5:40〜13:40)
日曜→飲食店(12:40〜20:00)
と書き込まれた。
「…土曜日は随分と早いですね。」
「うん。でも飲食店って、道路挟んで向かい側の、真ん前だからね。」
歩いて数秒と言って、小鳥遊さんは笑った。
リビングにある大きな窓からは、隣のアパートが見える。
ってことは、玄関がある方からの窓からその飲食店が見えるかもしれない。
「わかりました。」
そこまで説明されて、30分が過ぎた。
気づけば、まだ小鳥遊さんも私もパジャマだった。
「うん。それじゃあ動き始めますか。」
小鳥遊さんの声を合図に、私たちは朝の準備を始めた。
何、この音?
私は夢の中で耳をすませる。
私はいつも、真っ白な霧の中をさまよっている。
毎回眠ると聞こえる音…。
私は、その音のする方へ歩いていく。
あと少しでわかりそうなとこまでくるのに、手が届かない。
あぁ、まただ。
霧が濃くなる、そして私は目を覚ますんだ。
「…乃、雪乃?」
目を開けるとドアップの小鳥遊さんの顔…。
私は思い切り赤面してうつむいちゃうんだけど、小鳥遊さんはまるで気づいていない。
いや、私の場合それはそれでよかったのかな?
「おはようございます。」
「うん、おはよう。ごめんね起こして。まだ6時なのに。」
起床時間は6時30分。
まあ、30分早いぐらいどうってことない。
私は目覚まし時計のアラーム機能をオフにした。
目覚ましは、小鳥遊さんが貸してくれたもので、小鳥遊さん自身はスマートフォンのアラーム機能で済ませているらしい。
「大丈夫ですよ。どうかしましたか?」
「うん。ちょっと昨日、伝え忘れていたことがあったから、朝のうちに教えちゃおうと思って。」
そう言って私をリビングに呼び、いつもの位置に座らせる。
そしていつものように机を挟んで正面に小鳥遊さんが座る。
そして小鳥遊さんは、私のプロフィールとこの家のルールが書いてある紙を取り出した。
「俺の大学のことなんだけど…」
『時間割り』と書き、下に月から金までの講義の時間を、とても丁寧に書いていく。
月曜は8:00〜でそこから5コマ。
火曜は8:00〜でそこから4コマ。
水曜は8:00〜でそこから5コマ。
木曜は8:00〜でそこから5コマ。
金曜は8:00〜でそこから4コマ。
つまり、大学まで片道45分らしいから、毎日7:00には出るらしい。
ってことは、毎日30分で朝の準備を終わらせるってこと!
私からしたら考えられない。
「あと、バイトね。」
『バイト』と書かれ、またまたきれいな字で書き込まれていった。
一つ目は、火曜・金曜→家庭教師とかかれた。
火曜・金曜は4コマだから、終わってから家庭教師のバイトをするらしい。
「終わるのは何時頃ですか?」
「うーんと、帰ってくるのは、21時頃かな?」
じゃあその時間に合わせて夕ご飯作らなくちゃ。
「あと、土日もバイトしてるから。」
バイトの欄に付け足しで、
土曜→飲食店(5:40〜13:40)
日曜→飲食店(12:40〜20:00)
と書き込まれた。
「…土曜日は随分と早いですね。」
「うん。でも飲食店って、道路挟んで向かい側の、真ん前だからね。」
歩いて数秒と言って、小鳥遊さんは笑った。
リビングにある大きな窓からは、隣のアパートが見える。
ってことは、玄関がある方からの窓からその飲食店が見えるかもしれない。
「わかりました。」
そこまで説明されて、30分が過ぎた。
気づけば、まだ小鳥遊さんも私もパジャマだった。
「うん。それじゃあ動き始めますか。」
小鳥遊さんの声を合図に、私たちは朝の準備を始めた。