3つの約束
2 パーティの前に
数日経った週末、私はカフェにて親友の聡子に頭を下げていた。

「お見合いパーティーを紹介してくれって?」

聡子はあっけにとられて言った。

「幼なじみと結婚の約束があるからって、何度誘っても来なかったくせに、
何言っているのよ」

「だってさー」

ごにょごにょと言いたいことが、言葉にならない。

「だから言ったじゃないの。そんなのありっこないって。
小さい頃の約束なんて、あってないものでしょ。しかも結婚なんて」


近況報告という名のあの日の報告をして、春香は拝みに拝んだ。

聡子は先月、お見合いパーティーで知り合った人と結婚式をしている。

(ドレス姿、可愛かったなぁ、聡子)

ふと、今日の聡子を見る。

親友が、なぜか今もキラキラ輝いて見えるのは苗字が変わった効果なのか。


きっと、そうなのね。

結婚ってアンチエイジングなんだわ。

私もアンチエイジングしたいよ。


「ばかなこと言っていないで、紹介してあげるから、さっさと他の男を見てらっしゃい」

私、どこからか声がもれていたようですね。

聡子のおおげさにあきれた顔が物語っていた。


何だかんだと、優しい聡子は春香に合いそうな日程まで探してくれて、
申し込みを手伝ってくれた。

うん。

持つべきものは親友だね。

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