3つの約束
4 言わなかったこと
私と琉夏の関係って何だったんだろう。

小・中・高と同じ学校で、クラスは違うこともあったし、一緒のこともあった。
大学は学部が違うけれど、家から一番近い4大へ通った。
2人とも親への配慮からだった。


高校の時は、部活で遅くなるからと、駅からの帰り道を送ってくれた。
お隣さんだから、一番長く一緒に居られてお得だったと思う。

琉夏は人気者だった。
クラスに1人は居る、顔よし、頭よし、運動神経よし、そして皆に平等にやさしかった。

(そっか、私にも平等で優しかったのかも)

私だけが幼なじみだ、って図にのってたのかもしれない。

そもそも付き合ってすらいなかったもんね。

(それでも、結婚できると思うのは、バカなことかな)


朝ごはんは藤崎家で食べるから、好き嫌いも知っているし、
寝起きで少し気が緩んだ姿も知ってる。

社会人になってもそれは同じ。


13歳からの誕生日パーティーはうちで行ったし、
同じくらい私のことを知っているはずなのにな。


そっか、ずっと好きだったのか。
好きって言わないからいけなかったのかな。
言っても何も変わらなかったのかな。


その時、スマホが鳴動した。
(琉夏だ!)

何だろう。ドキドキする心を抑えつつ、メッセージを見た。

『相談したいことがある』




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