3つの約束
その時、注文したカレーが届いた。
「ちょっとちょうだいよ」
「少しだけだからな」
そんな会話をかわしつつ、
「でも、専務の娘さんなら婚約破棄することないいじゃない」
(琉夏がそれでいいっていうなら)
「出世のためでもいいって言うならさ」
そこで琉夏の顔が一段暗くなったように見えた。
「そこだよ春香」
小声になり春香の耳元へ口を寄せて話す。
(ちょ……近いって。惚れてしまう……ん?、惚れてるからいいんか私は)
「宗教が、合わない?」
「そういうこと」
出世は確実、彼女の宗教に入るのも確実、
もし子供ができても教育するのは彼女。
「俺とは生き方が違う。だから破棄したんだ」
「そうだったんだ」
少しずつ冷めていくカレーを見つめながら2人はしばし無言でいた。
陽気な店員がお冷を持ってくる。
「お二人さーん、元気出してねー」
なまりののこる日本語の店員の明るさに、
春香はつい笑ってしまった。
そんな春香を見て、琉夏が一言。
「なぁ、約束って今も有効?」
「ちょっとちょうだいよ」
「少しだけだからな」
そんな会話をかわしつつ、
「でも、専務の娘さんなら婚約破棄することないいじゃない」
(琉夏がそれでいいっていうなら)
「出世のためでもいいって言うならさ」
そこで琉夏の顔が一段暗くなったように見えた。
「そこだよ春香」
小声になり春香の耳元へ口を寄せて話す。
(ちょ……近いって。惚れてしまう……ん?、惚れてるからいいんか私は)
「宗教が、合わない?」
「そういうこと」
出世は確実、彼女の宗教に入るのも確実、
もし子供ができても教育するのは彼女。
「俺とは生き方が違う。だから破棄したんだ」
「そうだったんだ」
少しずつ冷めていくカレーを見つめながら2人はしばし無言でいた。
陽気な店員がお冷を持ってくる。
「お二人さーん、元気出してねー」
なまりののこる日本語の店員の明るさに、
春香はつい笑ってしまった。
そんな春香を見て、琉夏が一言。
「なぁ、約束って今も有効?」