たとえばモラルに反したとしても
求めるキモチ
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おはよう、といつものように挨拶が交わされる教室で、桐華は机に突っ伏している三好に目を細める。
けれどすぐに高いテンションの浩に背中を叩かれた。
「宮ちゃん! おはよ! 今朝も麗しいですねぇ」
あはははといつもながらの調子で笑う。
すぐに美羽がやってきて浩は美羽の方へと走り寄る。
「美羽ちゃん、おはよ! 今日も可愛い!」
そんな浩のハイテンションな声を聞きながら席に着く。
すぐに弓弦が近寄って来てじっと見下ろしてくる。
「なに、弓弦?」
「宮、昨日、何かあった?」
弓弦の指摘にドキリとする。
何か、変わった?
どこか、おかしい?
ギクリとしたことを悟られないように笑って聞いた。
「なんで? 何もないけど。どうしてそんなこと聞くの?」
「いや、何か……ちょっと、そう感じただけ」
困ったような表情を見せる弓弦に、桐華は内心激しく動揺していた。
(弓弦、鋭い……)
多分、弓弦だから気がついたのかもしれない。
桐華はゆっくりと瞼を伏せて、昨日の夜の事を思い返す。