たとえばモラルに反したとしても
「なあに、栗竹コンビ、またつるんでるんだ」

 からかう美羽に浩が笑った。

「宮ちゃんはキレイだもんね! なあ弓弦だってそう思うだろ?」

 笑って茶化すような言い方をする浩に弓弦は眉を寄せた。

「おめーは誰にでもそう言うだろが」

「だってぇ、俺、年中無休で彼女募集中! 宮ちゃん、俺とはどう? どう?」

「浩うるさいもん。要らないって」

 美羽が先に返事をする。

 ひっどい! と笑う浩は、本当に彼女が欲しいのだろうか。

 顔は悪くないけれど、少し背の低い浩。
 いつだってテンションが高くてクラスのムードメーカー。

 そんなにもてないとも思えないけれど、誰かに彼女が出来たとか聞くと、いつも羨ましがる。

「みんな彼女ってどうやって作ってんの? 粘土? 金属? 木彫り?」

 なんて本気で聞いているお調子者のバカだ。

「なあ、今日は遊びに行かね? カラオケ」

 弓弦が誘うと、すぐさま美羽と浩が手を上げた。

「行く行く! 宮も行くよ!」

 美羽が勝手に返事をする。

 別に用事もないし、まあいいかと桐華も同意した。
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