たとえばモラルに反したとしても
 圭祐も決してモテないわけではないけれど、クールで眼鏡、優等生タイプの圭祐はそれほど目立つ存在ではなかっただけに、男子からは相当やっかまれたそうだ。

 桐華も圭祐がアミと付き合ったと知った時は少なからず驚いた。


 圭祐とは幼なじみ。


 親同士がかなり親しくしていたようで、中学までは桐華のことをなにくれとなく圭祐の母親は気に掛けてくれていた。

 だから圭祐のことは小さい頃から知っている。


 頭が良くてクールで無口。
 けれど頼りがいがあって足が速い。

 中学の時は陸上部で、さらに生徒会長をしていて目立っていてとてもモテていたけれど、高校に入ってからは目立つことを嫌うようになったのか、その他大勢に埋もれるように過ごしていた。

 その圭祐が学校でも有名人のアミと付き合って驚いたのだ。


 それでも並んで歩いていると圭祐とアミはお似合いだった。

 背の高い圭祐に小柄なアミが寄り添っている姿は、誰もが羨むほどの美男美女カップル。

 時折すれ違う人がチラリと振り返っている。

 見ていれば分かるが、アミが圭祐に入れあげている。

 隣に座る。世話を焼く。すぐに触れる。顔を覗き込む。

 可愛い声で「圭祐君、圭祐君」としきりに名前を呼んでいる。
< 7 / 81 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop