妖あやし、恋は難し
苛立ちの原因
◇
(クソックソックソッ…! 何なんだ、何なんだ一体!!!)
皇湊は、この上なくイラついていた。
◇
皇湊がこの屋敷に来て早三か月。
まさかこんな事になるなんて思ってもみなかった。
湊は雇われのガードマンだ。
命を狙われた要人や、今回の柳家のような金持ちに雇われ、主人となった者を命がけで守る。
その世界において、湊はかなり有名だった。
実力はトップクラス。
何人もの人間を危機から守ってきた。
信じるのは己だけ。
そんな彼には嫌いなものが一つだけあった。
それは『霊能力者』を名乗る者達
例えば、そう、【陰陽師】とか。
(だーーー!!くっそ!思い出しただけで虫唾が走る!!!)
この家の主人、柳洸太郎の寝室前で、湊は今日の出来事を思い出して暴れていた。
暴れていたと言っても脳内で、である。
仏頂面がデフォルトの湊は、感情をほとんど表に出さない。唯一出すのは怒りぐらいだ。
だから常に怒っているように思われる。
仕事上は良い。
そうあることで、大抵のチンピラは警戒し手を出しもしないのだから、怖い顔も悪くない。
だが今回ばかりは湊のイライラも我慢の限界のようだ。
本人は表情に出してないつもりだろうが、全身から、顔面から泉のごとく苛立ちが溢れ出て溢れ出て、他の雇われガードマンは真っ青な顔で引いている。
仁王立ちし後ろに腕を組んで、見た目はまじめに職務をこなしているように見えるが、さっきから貧乏ゆすりが止まらず、いつか地響きがしてきそうなほどの酷さだ。
その姿はさながら鬼神のようだった。
(クソックソックソッ…! 何なんだ、何なんだ一体!!!)
皇湊は、この上なくイラついていた。
◇
皇湊がこの屋敷に来て早三か月。
まさかこんな事になるなんて思ってもみなかった。
湊は雇われのガードマンだ。
命を狙われた要人や、今回の柳家のような金持ちに雇われ、主人となった者を命がけで守る。
その世界において、湊はかなり有名だった。
実力はトップクラス。
何人もの人間を危機から守ってきた。
信じるのは己だけ。
そんな彼には嫌いなものが一つだけあった。
それは『霊能力者』を名乗る者達
例えば、そう、【陰陽師】とか。
(だーーー!!くっそ!思い出しただけで虫唾が走る!!!)
この家の主人、柳洸太郎の寝室前で、湊は今日の出来事を思い出して暴れていた。
暴れていたと言っても脳内で、である。
仏頂面がデフォルトの湊は、感情をほとんど表に出さない。唯一出すのは怒りぐらいだ。
だから常に怒っているように思われる。
仕事上は良い。
そうあることで、大抵のチンピラは警戒し手を出しもしないのだから、怖い顔も悪くない。
だが今回ばかりは湊のイライラも我慢の限界のようだ。
本人は表情に出してないつもりだろうが、全身から、顔面から泉のごとく苛立ちが溢れ出て溢れ出て、他の雇われガードマンは真っ青な顔で引いている。
仁王立ちし後ろに腕を組んで、見た目はまじめに職務をこなしているように見えるが、さっきから貧乏ゆすりが止まらず、いつか地響きがしてきそうなほどの酷さだ。
その姿はさながら鬼神のようだった。