妖あやし、恋は難し
(何なんだどいつもこいつも!詐欺師まがいの連中ばかり!)
あの時
霊能力者を名乗る連中と部屋に残された時
一条という見た目完全な女子高生の自称【陰陽師】が部屋を出ていった後。
残った霊能者たちは各々に祈祷やら占いやらをし始めた。
それはそれは、もう見ていられないほどの混沌とした光景がそこにあった。
頭を上下にぶんぶん振りまくり、壁に向かって祈りを捧げる祈祷師。
数珠を擦り合わせ何やらぶつぶつと唱えていく僧侶。
水晶を置き、身体全体を使ってゆらゆら大げさな動きをする女の占い師。
幣を振り乱し部屋の中を闊歩し、叫ぶ神職。
もう、湊は耐えられなかった。
馬鹿馬鹿しいにもほどがある。
(霊だと!?妖だと!?ふざけんなッ!!!!んなもんいるわけねーだろ!)
湊は部屋を出た。
この空気に耐えられなかったからだ。
廊下をずんずん歩いて行く。
この時点でイラだちは凄かったが、さらにそれに追い打ちをかけたのが、和室の前に佇んでいたセーラー服の陰陽師、一条結だった。