妖あやし、恋は難し
第一章《結》
女子高生は陰陽師
*
「ここが柳邸…で、あってるのかなあ」
彼女は大きな門の前で小さくそう呟いた。
手元に握るのは上質な紙の、招待状のようなカード。
白地にブルーのラインが入った清楚な印象のセーラー服を身に纏った彼女は、何度かそのカードと表札を交互に見比べたのち、恐る恐るインターホンに手を伸ばし思い切るようにそれを押す。
ブー
豪邸には見合わない地味な音が鳴ったかと思うと、
『――はい、どちら様でしょうか』
ダンディーなおじさまの声が。
彼女は別に直接見られているわけでもないというのに、きゅっと姿勢を正してお辞儀をする。
「あっ!わたくし、柳 洸太郎様の依頼を受けてまいりました。
一条 結(ゆい)と申します」
『――…失礼ですが、ご職業は?』
モニター越しに見えているのはセーラー服の女子高生だ。
そう尋ねられるのは当然だろう。
あまり口に出したくは無かったが、しょうがないかと諦めて彼女は覚悟を固める。
「申し遅れました、わたしは――
【陰陽師】です」
そう
わたし、一条 結は現役の女子高生であり、同時に正真正銘の陰陽師なのである。
「ここが柳邸…で、あってるのかなあ」
彼女は大きな門の前で小さくそう呟いた。
手元に握るのは上質な紙の、招待状のようなカード。
白地にブルーのラインが入った清楚な印象のセーラー服を身に纏った彼女は、何度かそのカードと表札を交互に見比べたのち、恐る恐るインターホンに手を伸ばし思い切るようにそれを押す。
ブー
豪邸には見合わない地味な音が鳴ったかと思うと、
『――はい、どちら様でしょうか』
ダンディーなおじさまの声が。
彼女は別に直接見られているわけでもないというのに、きゅっと姿勢を正してお辞儀をする。
「あっ!わたくし、柳 洸太郎様の依頼を受けてまいりました。
一条 結(ゆい)と申します」
『――…失礼ですが、ご職業は?』
モニター越しに見えているのはセーラー服の女子高生だ。
そう尋ねられるのは当然だろう。
あまり口に出したくは無かったが、しょうがないかと諦めて彼女は覚悟を固める。
「申し遅れました、わたしは――
【陰陽師】です」
そう
わたし、一条 結は現役の女子高生であり、同時に正真正銘の陰陽師なのである。