妖あやし、恋は難し
占い師と陰陽師
◇
今日はもう遅い。面会時間もじき終わる。
姉に会うのはまた明日に。
湊はそう言うと、結を再び車に乗せて近くのホテルへと送り届けた。
では、明日またここで。
そう言われ、ホテルのフロントに一人残された結は、湊があらかじめ準備していた部屋の鍵を受け取り、エレベーターに乗り込む。
そこでようやく、強張った身体から息と共に力が抜けていった。
(はぁあああーーーー、つ、疲れた……!)
たった数時間で普段の数十倍神経をすり減らした気分だ。
依頼主が湊だからこそ、こんなに疲れていたりするのだが。
(まさか、こんなことになるなんて…もうあの人とは一生会う事なんてないと思ってたのに…パンケーキどころの話じゃなかったな)
喫茶店で心躍らせていた時を思い出し、余計に気落ちした。
湊が準備してくれていた部屋はやけに高級そうな部屋だった。
広く上品な内装、家具、そして一際目を引くのが大きなベッド。
おそらく無理やり連れ回し、疲れたであろう結の身を案じてこんな部屋を用意したのだろう。
結は思い切りベッドの上に飛び乗る。
(ふかふか…気持ちい……)
ごろりと仰向けになり、ぼんやりと天井を見上げていると、