新着メール、一件
そんな女の子達の会話を軽く聞き流し、私はお弁当を食べた。
私のお父さんは大企業の社長秘書をやっていたが、会社が倒産し、今では普通のサラリーマンとして休む暇もなく働いている。
お母さんは…雨の日、車がトリップして事故にあった。
その日から私はお父さんの頑張る姿をずっと見てきた。
だから携帯を欲しいなんて、言えないのだ。
そんなことを考えてると嘉奈が学食から戻って来た。
『和佳奈~っ?』
ボーッとしていた私はびっくりしてすぐさま顔を上げた。
『わっ…、ごめん、考え事してて…』
そう言い苦笑した。
『和佳奈は一人で溜め込むクセがあるからなぁ。思いつめて空、飛ぼうとしないでよ?』
なんて、冗談混じりで言った。
『アハハ、ごめんごめん』
私も嘉奈に心配かけてはいけないと思い明るく振る舞った。