きみと最後の1ページまで
「星川さん?」
呼びかけに気付いた高木くんは立ち止まり、走ってくる私のことを見て首を傾げた。
「ど、どうした?」
「えーと……」
本当どうしちゃったんだろう、私。
明日から高木くんと話せなくなるって思った途端、心臓がドクンドクンと波を打った。
ここでどうにか繋ぎ止めておかないと、夏休み明けには私のことなんて忘れられてしまいそうで。
そしたらもう二度と私の物語が動き出す気がしなかった。
「い、一緒に……帰ろ?」
絞り出すように口に出した私の言葉に、高木くんはきょとんとしたものの、すぐに首を縦に振ってくれた。
「別にいいけど」