きみと最後の1ページまで




しかし、ふたりがわくわくする気持ちはよくわかる。


私もたった今、ちょっとだけ胸が高鳴るのを感じた。


転校生なんてそうそう現れるものではないからだ。



それに、なんだか漫画のような話ではないか。



季節外れの転校生は、もしかしたら超イケメンだったりするかもしれない。もしくは、絶世の美少女かもしれない。


はたまた、実は人間ではなくてこの地球を侵略しに来た宇宙人かもしれないし、逆に地球を救いに来たスーパーヒーローだったりするかもしれない。



……夢を見るのは簡単だ。


実際周りを見てみると、私と同じような目をした生徒がちらほら視界に入った。



ああ、転校生が少し気の毒になってくる。



でも、自分が主人公の物語が一歩だけ進むんではないかという期待は隠しきれなかった。



非日常がやってくるんだ。


ちょっとぐらい、いいじゃん。




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