きみと最後の１ページまで

私はそれに同意の意味を込めて頷く。


もしかしたら、何かあったのかも知れない。


彩奈は慣れた手つきでスマホを取り出すと、メッセージ送信画面を開く。




「どうしたー？　っと」




そのまま送信ボタンを押そうとした直後、背後から聞き慣れた声が聞こえてきた。




「彩奈！　遥香！」




振り向くと、声の主である千夏がこちらに大きく手を振りながら走ってきていた。


なんだか焦っているようにも見えた。




「あ、きた！　てか、千夏が遅刻って珍しいじゃん。なにかあったの？」

「あっ、あのね！」




千夏はずいっと私たちに詰め寄って、いつもより何割増も可愛い笑顔を見せる。




「さっき、前野先輩に偶然会ってね！　先輩も友達と来てたんだけど、みんなで一緒に行きませんかって言ったらOK貰っちゃった！」