きみと最後の1ページまで





その後、例の先輩とそのお連れの方達と合流した。


5人ほどで、全員野球部の仲間のようだ。


顔は知ってるつもりだったけど、改めて近くで見てみるとキリッとした目元にスッと通った鼻筋。確かに前野先輩はイケメンだ。


千夏が一目惚れしたのも頷ける。




「彩奈ちゃんに遥香ちゃんだな? 千夏からよく聞いてるよ。イメージ通りだね」




私と彩奈を交互に見ながら前野先輩はこれまた爽やかな雰囲気でニッと笑う。


千夏、私のことも先輩に話したことあったんだ……。




「あはは、どんなイメージだったんですか?」

「彩奈ちゃんは明るい子で、遥香ちゃんは真面目な感じかな」




真面目……。前野先輩がこう言うってことは、千夏も私が真面目な子だと思っていることになる。


うーん、それはどうだろう。


まだ何も手をつけていない夏休みの課題を思いながら、私は苦笑した。




「げっ……やっぱり彩奈居るじゃん」




そう言いながらわざとらしく表情を歪ませている人物が先輩側にひとり居た。






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