きみと最後の1ページまで
その話題を切り口に彩奈はすぐにみんなと打ち解け、親しげに話し出した。
彩奈は初対面の人と仲良くなるのが得意だ。
私も人見知りはしないほうだけど、あんな風にはなれないと思う。
「あーあ」
なんとも疲れたような溜め息につられて横を見ると、先輩から解放された藤ヶ谷くんがぐるりと首を回しながらトボトボ歩いていた。
私はそちらに少し寄り、話しかけてみる。
「藤ヶ谷くん」
「あ?」
「藤ヶ谷くんって彩奈好き? 嫌い?」
「はあぁ!?」
何気なくずっと気になっていたことを聞いてみたら、大げさなリアクションをされた。
目をギョッと見開いて、ぽかんと口を開けて……。
「そんな驚かなくてもいいじゃん」
「あ、ああ……」