きみと最後の1ページまで
「遥香どうしたー?」
前方から聞こえた声にはっとして、顔をあげる。
さっきまですぐ後ろを歩いていたつもりだったが、もう彩奈達との距離がひらいていた。
「はぐれないでねー!」
手を振りながら気に掛けてくれる彩奈に、私は「大丈夫!」と言ってから足を早める。
この人混みだ。ぼーっとしてたら本当にはぐれてしまう。
もしそうなっても連絡手段があるので大事にはならないが、迷惑をかけてしまうので避けたいところ。
「ごめんごめん」
「ねぇ、遥香! たこ焼き食べよ!」
追い付くと、さっそく彩奈腕を引っ張られる。
お腹はとても空いていたので、それには賛成だ。