きみと最後の1ページまで
先の方まで見渡すと《大たこ入り!》と大きく書かれたのぼりが目に入った。
彩奈と私は目を合わせて頷き合うと、その屋台の前で立ち止まる。
店の主はニコニコとした気の良いおじさんだった。
「たこ焼き2個ください!」
「はいよ! お嬢ちゃん達可愛いから一個おまけしちゃうよー!」
「やった! ありがとうございます!」
6個とプラス1個乗せられた容器を受け取って、私もお礼を言った。
多分、おまけは全て彩奈の功績か、全ての人にそうしているんだろう。
それでもちょっぴり嬉しかった。
値段は500円と普段なら少し高いと思ってしまうが、この祭り独特の特別な雰囲気がそんな小さなことは気にさせない。