きみと最後の１ページまで

急に何かを思い出した様子の藤ヶ谷くんに、私は首をかしげる。




「どうしたの？」

「さっき……ほら、俺に質問しただろ」

「さっき？　あー」




確か、彩奈のことを好きか嫌いか聞いたことを思い出した。




「なんだ、かわされたのかと思ってた。私の名前知らなかったのマジだったんだね」

「悪かってば。女子の名前は言われなきゃ曖昧なんだよ。間宮(まみや)だってマネージャーじゃなきゃ覚えてねーもん」




間宮とは千夏の苗字だ。


自然と覚えてしまうものだと思っていたが、案外そんなものなんだろうか……。


まぁ、いいか。




「で、嫌いなの？　好きなの？」

「星川さ……それ、彩奈には聞いたことあんの？」

「へ？　彩奈に？」




何故そんなことを聞くんだろうか。


とりあえず、聞いたことはなかったので首を横に振って否定する。