きみと最後の1ページまで
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それからしばらくは夏祭りを満喫して、集合時間の7時を回ったところで近所の公園へとやってきた。
途中コンビニで何個か手持ち花火を買ったので、少し遅れてしまったけど。
「彩奈ー!」
公園内へ入ると、彩奈の友達が駆け寄ってきた。私も知っている子だ。
周りを見ると、男子は知らない人もいたけど、女子は顔見知りくらいの子達が何人か居て安心した。
早速私も混ぜてもらおうと思ったとき、急に視界に飛び込んできた人物に一瞬時が止まったような感覚になった。
周りの楽しそうな笑い声が遠くに聞こえて、目が離せなくなる。
「高木くん……」
そう呟いた瞬間、私の中で止まっていたとても小さな歯車が音を立てて回り出した。