きみと最後の1ページまで
目が離せなくなってじっと見つめていると、視線に気付いた高木くんがこちらに振り向いた。
ばっちり目が合い、なんだかドキッとしてしまう。
「あれ? 星川さん」
「ひ、久しぶり……」
私の姿を見た高木くんはちょっと驚いていたようだった。
それは私も同じで、自然に返したはずの挨拶はぎこちなくなってしまった。
「久しぶり」
「うん……」
「えーと……ちょっと、向こうで話さない?」
「えっ!」
その誘いは予想外過ぎて思わず声を上げてしまった。
私の反応に高木くんが一瞬不安そうに口を結んだのがわかって、慌てて首を縦に振る。
「うん、いいよ。話そうよ」
「あ……別に嫌なら……」
「全然嫌じゃない!」
言葉を遮るように私がずいっと詰め寄ると、急に笑われた。
「な、なんで笑うの?」
「そんな必死にならなくても」
「あ、いや、その……」
「ううん、ごめん。ありがとな」
高木くんのそういう一言一言が何故か心に響く。
自分でも不思議だ。