きみと最後の1ページまで
それから本当に変化がないまま二週間が過ぎようとしていた。
今日は朝から雨が降っていて、先日梅雨入りの便りも届いた。
雨はあまり好きになれないので、憂鬱だ。
湿気のせいでうねる髪の毛を手ぐしで整えながら過ごし、今日も今日とて何もなく、普通に放課後を迎えた。
「遥香、また明日ね」
「うん、二人とも部活頑張ってね」
そんな挨拶をしてから、私は足早に教室を出た。
彩奈はテニス部に所属していて、千夏は野球部のマネージャーをやっている。
なので下校はひとりになることが多い。
私はあまり面倒なことはしたくなくて最初から入ってないけど、最近はそれがもったいないような気がしてきていた。
「あっ……」
そうこう考えながら下駄箱で上履きを脱ぎかけた時、持ち物が少ないことに気付いた。
スクールバッグの他に、プリント類を入れた手提げバッグが無い。
「ああ……忘れた」
かかとを潰していた上履きをしっかり履き直す。
どうでもいいものばかりなら忘れたままでも問題無いが、そのプリント類の中には今日やらなければいけない課題が入っている。
仕方ないので取りに行くことにして、もう一度階段を上がった。