私の未来はどこにあるの??~俺様男と年下男子~


「椰原さん??ちょっといいですか」


神崎さんに呼ばれた。
先に行っていて、と手で合図すると、同行していた看護師さんが別室に向かう後ろ姿がちらりと見えた。


カーテンで仕切られたベッドは半開きだったり閉まっている。
人目はあまりない。


「あっ、はい…何か」


「少しお借りしますよ」


口角を少し上げて、妙に勝ち誇った表情に見えた。


「話ならここでしろ」


「先生に失礼ですよ??」


点滴で繋がれ横たわった先生に。
立場が逆転したようで、優位に立っている気分だった。
少し調子に乗ってしまったかもしれない。


「うるせえ。患者は俺だ」


「ちょうどよかったです。そろそろ帰らないといけなかったので」


振り返ると目を合わせずに一礼した。


「もう来ませんので、ゆっくり養生なさってください。お大事に」


「なん!?おい!!ちょっと待てって!!」



< 100 / 108 >

この作品をシェア

pagetop