私の未来はどこにあるの??~俺様男と年下男子~


夕暮れどき。
なんとか自力でベッドから出て、トイレから帰ろうとしたとき。


ふと吹いてくる風に気づいた高居。
見ると、非常階段の方からで、少しドアが開いていた。


「…危ないじゃねえか。不用心だな。誰か落ちたらどうするんだ」


閉めておこうと近づいたとき。
囁く声が耳に入る。外からだ。


「………だめ。誰か来たら」


「誰も来ないよ」


うふふ、と笑う声。
どこかで聞いた覚えのある声だ。


―――まさか。


ドアノブに手を伸ばし、開けてみた。


「………あっ…」


女と目が合った。



< 103 / 108 >

この作品をシェア

pagetop