私の未来はどこにあるの??~俺様男と年下男子~
笑顔のまま、更に続ける。
「ああ、申し遅れましたね。ずいぶん昔、果奈さんと仲良くしていただいた、旧姓、麻部(アサベ)です。母方の姓になりまして」
「ああ、そうそう。そうだったわね!!」
思い出して手を叩くお母さん。
「げっ……」
いやまさか。
思い出した。
大ッッ嫌いないじめっ子だ。
お盆やお正月に、お祖母ちゃんのウチに遊びに来る度に用もなく現れては泣かされた。
いや、用もなく??
そうだ。
思い出した。
そういえば。
実家が個人経営の診療所してて、お父さんに付いて来てるとかって、その頃から何だかんだお世話になってた気がする。
「って、あのドクべー!!!?」
毒があるという意味と、医者のドクターで、陰でそう呼んでいた。
思わず口走って、あっと口を押さえたけれど、遅かった。