私の未来はどこにあるの??~俺様男と年下男子~
40代半ば、白髪混じりの短髪に黒縁眼鏡が似合う、細身だけれどやはり筋肉質な石山店長。
うちの父とは、店長が高校生時代からの知り合いみたいだ。
毎日10キロ通学で愛用していた自転車をうちの父がメンテナンスするようになって、自然に仲良くなったらしい。
父の職人としての手際のよさは、当時学生だった店長には神業に見えたとか。
うちの店は、祖父の代から始めた個人経営の自転車屋を、結果父が継いだ形になっている。
今でこそ、そこらに大手のチェーン店が点在するけれど、昔は町内にひとつふたつしかなかった。
春先は多少仕入れられても、自宅兼店舗なので、置き場に限界はある。
在庫は置けない。
今、愛用する自転車も、うちの店で、父が一目惚れしてたまたま仕入れ、展示品として置いてあったものを、頼み込んで買わせてもらったとか。
店長なら、譲っても大事に使ってくれるだろうと。
期待を裏切ることなく、大事にメンテナンスしているのはものを見ればわかる。
かれこれ20年近く。いまだに新品同様で、小さな傷がある程度だ。