君が響けば
「えっ!私が自分で言ったん?」
「そうやで~俺のこと自意識過剰とか言ってくれちゃってさ?草子ちゃん酷い~」
でたそのさぶいぼの立ちそうなオーバーな喋り方。
「酷いのはどっちよ。いつまで草子ちゃんって呼ぶ気?」
「じゃあ名前教えてっ」
今語尾にハートが見えた気がした。
いけ好かない。
「野本涼佳」
ふてぶてしく答えた私に、『せーや』は笑顔で言う。
「おっけー涼子ちゃんね」
「違う!か!りょ、う、か!!なんであんたは草子とか涼子とか、子にしたがるん?」
ふざけてる。
「えー、あかんのー?あと俺はあんたじゃなくて喜田誠矢(きだせいや)な。クラスは岡と同じ6組でーす。えっとー、弁当一緒に食べたりしてたのに覚えてもらってなくてせーやショックでーす。」
サラッと自己紹介をかまされてしまった。
弁当とかほんまに一緒に食べたんかな?
全く記憶にない。