君が響けば

でもな〜、


「なんとなく見覚えのある顔やねんなあ」


「えっ!?思い出した?」


そう言って『せーや』は、いや、貴田は満面の笑みを浮かべる。


「あああああーーーーー!!!!思い出した!!青色くんや!!」


そう、この笑顔は間違いなく昨日の青色くん。

なるほどね~。

昨日の青色くんは貴田やったわけか。

それなら喜田のさっきの、俺を見つめてたって言葉にも納得がいく。

見つめてないけどね。


「なになに、青色くんって」


ゆづはニヤニヤしながら私に聞く。


「いや、昨日青色の練習着着てたやろ?それで青色くん」


「なーんや。そっちも俺のこと青色くんとかいう変なあだ名つけてくれてたみたいやん。お互い様やな」


喜田は馴れ馴れしく私の肩を数回たたく。


なんなんだ、ゆづといい喜田といい。

陸上部は肩を叩くのが好きなわけ?


「弁当のことは思い出してくれへんみたいやけどな。草むしり涼子ちゃん」


「ムカつく!!」


嫌味っぽく言ってきた喜田の肩を殴る。


「いっっったぁぁあ!!」


見事に私の肩パンは喜田の肩の筋に命中。

よし。

してやったり。

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