君が響けば
期末テストも終わり、夏休みまでの授業は全て4時間になった。
4時間とはいえ、空腹と睡魔と戦い抜いた私はもう家へ帰る気力すら失いかけている。
そんな中呼び出しをくらうなんて…。
「あんた何したん?」
ゲラゲラと笑いながら私の肩を叩く。
「ゆづ!何笑ってんの、笑い事ちゃう!」
だってさ~、と言いながら私の顔をのぞき込むこの子は、野村悠月(のむらゆづき)。
高校に入って初めて出来た友達であり1番仲のいい友達。
同じクラスで、出席番号が前後の私たちはすぐに仲良くなった。
「も〜、私なんかしたっけ?」
私がそういうとゆづは呆れた顔をしながら私の肩をぽんっと叩き、言う。
「あんたが掃除さぼり続けてたこと以外に何かある?」
と。