君が響けば

「わざとじゃないねん。これには深~いわけがあってな?」


「はいはい、言い訳してる間に職員室に行きなさい!また放送で呼び出されるで?」


ゆづは私の肩をぽんぽん、と2回叩いてから背中を押し職員室がある方へ指さした。

ゆづは肩を叩いてくるのが癖だ。

別にいやじゃないけど。


じゃあね〜とお互いに手を振りながら私は急いで職員室へ向かう。





右手で数回ノックし、重そうな職員室のドアを開ける。

「…失礼します。1年5組の野本です」

「の~も~と~!!」


私が言い終わるのと同時に鬼の加藤先生が低い声で私の名前を呼ぶ。


「お前、1学期何回掃除に行った?1回やぞ!1回!!たったの1回!」


指で1をつくりながら私の目の前で1を連呼する。


「先週忠告したな。次の掃除をサボったらペナルティあるぞ、って。今から駐輪場の草抜きや!!」


ええ!!と大きい声を出した私に対して加藤先生は、
しっ!ここは職員室!と注意した。

先生の声の方が絶対にでかかったはずやねんけどなあ。

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