君が響けば
「うわ…」
笑ってる。
1番走り抜けた青色くん。
一瞬ドキッとしちゃったやん、やめて青色くん。
そうそう、草ぬかないと!
「野本!もう終わってええよ。お疲れさん。」
「あ、加藤先生」
1時間も抜いてこの量…。
怒られるかな。
「おーこんな抜けたんか。根本深くて抜くの大変やったやろ」
「えっ!そうなんですか?」
「そうそう、あとは業者に任せるからええよ〜。ほれ、これ飲んで帰り」
先生の手から投げられたのはオレンジジュース。
「私リンゴジュースが好きなんですけどー」
「文句言うなら返せ!」
と言いながら背を向けて私に手を振る加藤先生。
ていうか草むしり業者に任せるねんやったら私がやった意味…。
と、思いつつも青色くんを見れたからよかったかな、なんて。
「アリガトウゴザイマース」
そう言ってからオレンジジュースを一気飲みした。
見上げた空は、青色くんの練習着と同じくらい青かった。