君が響けば
「ひどいなあ〜草子ちゃん。俺のこと忘れるなんて〜」
わざと拗ねた顔をしてくる『せーや』という人。
「忘れるも何も私は知らんし!まず草子ちゃんてなんですか?」
イラッとして少し強い口調になってしまった。
「昨日、駐輪場の草抜きしてたやろ?く、さ、こ、ちゃん」
最後にバチンとウインクを決める『せーや』。
さぶいぼ………。
ていうか、
「なんで2人とも私が草抜きしてたこと知ってるん?」
やれやれ、と2人は顔を合わせては同じリアクションをとる。
ゆづは私の肩をぽん、と叩き
「運動場からめっちゃ目立ってたよ。あの時間に運動場で部活してた人達全員知ってるで、あんたが草抜きしてたん」