そらをみあげれば…

３

………気がついたら俺の目には車の天井が見えていた…


シュー…シュー…と何かが漏れる音。


うぅ～…うぅ～…と何か悶える声。


ごぽっ…ごぽっ…っと何かが吹き出す音。


「ここに居ます！ここに居ます！足が挟まって動けねぇ！足が痛てぇ！」
と助手席から外へ向かって叫ぶかどわきの声。

何があったのかわからず立ち上がろうとしたら、両手に激痛が走った。

それでも体を起こし、立ち上がろうとしたら今度はぐにゃりと曲がる右足。

なんだこりゃ？
なぜ股関節と膝の間で足が曲がってるんだ？
太ももにもう一つ膝ができてる感じ…

気づいたら腹が一番痛い。

体中激痛で再び倒れ込む俺。

横たわりながら前を見ると、やっと自分の置かれた状況が少し理解出来てきた…