【短】雨の日の乗車駅
雨の日
私がこの町を出て行く日。
その日は雨の日だった。
ふらふらと大学生活を過ごし、やがて卒業して、実家でまたふらふらと暮らしていた私は、幼い頃からの夢を叶えるべく、上京することに決めた。
両親には反対されたが、私の人生に大きく関わることだ。
私の人生は私が決める。
私の住んでいた町は、自然がいっぱいあって、夏にはたくさんの野菜が採れて、冬はとてつもなく寒かった。
平和ボケしているのどかな町。
そんなこの町が好き。
だけど私は、この日この町を出て行く。
きっと二度と戻ることはない。