Brat Boys
「…なんだよ?」

「これ、なーんだ?」

「!!!??」

その瞬間、快飛の顔がひきつったのは言うまでもない。

「そ…れは…」

口では言い表せないほどの驚き、そして、逃げ出したいほどの恐怖が、快飛の心を埋めつくした。

「…やだぞ、オレ。絶対やだからなっ!!」

「残念でした。もう決まってんだ。これ、オータムフェスティバルでやるんだからな!」

冷や汗をかいて、後ずさりしている快飛とは対称に、当の敦司はやる気まんまんだ。

「オレは、絶対やらねぇっ!あれをもう1回やれだって!?オレ、絶対オータムフェスティバル参加しないからなっ」

体育館全体に響き渡る大声で、快飛は怒鳴った。

だが、敦司の方は、けろりとしたものだ。

「そう言うと思ったよ。でも、あれやるには、快飛いなきゃ始まんねーもん」

「だとしても、オレはやんない」

「…だめ?」

「だめっ!!」

「…どうしても?」

「どうしてもっ!!」

以後、この言い争いは3分続いた。

そして―――…

「どうしてそこまで嫌がるんだよ?別にいいじゃん」

ひと息ついてから、敦司が改めて話しかける。

「そりゃ、おまえはいいだろうよ」

くるっ

答えるだけ答えると、快飛は再び敦司に背を向ける。
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