王女と秘密の画家
「コホン。少しぐらい
良いではないか。
見るぐらい。それとも、絵画に自信がないのか?」


ルシア伯爵は、
コホンと咳払いをして、申した。


「そっ。そんなことは······」


無口で、人見知りな
彼女[ユキコ]にとっては、答えるのが、
やっとだった。

ルシア伯爵は、ユキコの持っている絵画を取り上げようとした。

ユキコは、その場所から、絵画を両手に抱え、
トタトタッ。


走り去った。
< 10 / 39 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop